
兄弟で相続した実家、売りたいのに売れない!共有不動産のトラブルを解決する5つの方法
「兄は実家を売りたいと言っているけれど、弟が反対している」
「誰も住んでいないのに、固定資産税だけ払い続けている」
「兄弟で共有名義になっている家は、自分の判断で売却できないの?」
親から相続した実家を巡って、兄弟姉妹の意見が合わず、不動産の売却が進まないケースがあります。
思い出の詰まった実家だからこそ、簡単には決められないものです。
しかし、話し合いを先延ばしにしている間にも、固定資産税や建物の維持費は発生します。空き家の状態が続けば、老朽化や近隣トラブルのリスクも高まります。
今回は、兄弟で共有する相続不動産を売却したい場合の具体的な解決方法を、分かりやすく解説します。
1.兄弟の共有名義になっている不動産は、勝手に売却できる?
結論から申し上げると、共有不動産全体を売却するには、原則として共有者全員の同意が必要です。
例えば、父親から実家を相続し、兄と弟がそれぞれ2分の1ずつ所有しているケースを考えてみましょう。
兄は「誰も住まないから売却したい」。
弟は「思い出があるから残しておきたい」。
この場合、兄が単独で実家全体を売却することは原則としてできません。
ただし、兄自身が所有する2分の1の共有持分については、原則として弟の同意がなくても売却できます。
つまり、共有不動産では「建物全体を売却すること」と「自分の持分だけを売却すること」は別なのです。
なお、遺産分割が終わっていない場合には、通常の共有不動産とは異なる相続手続き上の問題も生じます。
2.解決方法① 兄弟全員で売却し、現金を分ける
最も分かりやすい解決方法は、兄弟全員が合意して実家を売却することです。
例えば、実家が4,000万円で売却できた場合を考えてみましょう。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 4,000万円 |
| 売却にかかる諸費用(仮定) | 200万円 |
| 売却後の残額 | 3,800万円 |
| 兄の受取額(持分1/2) | 1,900万円 |
| 弟の受取額(持分1/2) | 1,900万円 |
※譲渡所得税などは考慮していない概算です。費用負担や分配方法について別途合意がある場合は異なります。
不動産を現金にすることで、分配しやすくなり、将来の管理負担も解消できます。
ポイントは、売却価格を兄弟の感覚だけで決めないこと。
不動産会社による査定を受け、客観的な市場価格を共有することで、話し合いが進みやすくなります。
3.解決方法② 住み続けたい兄弟が、ほかの兄弟の持分を買い取る
「実家を売りたい兄」と「実家に住み続けたい弟」。
このようなケースでは、弟が兄の持分を買い取る方法があります。
例えば、実家の市場価格が4,000万円で、兄弟がそれぞれ2分の1ずつ所有している場合。
弟が兄の持分を2,000万円で買い取れば、弟が実家を単独所有する形にできます。
ただし、これは市場価格を基準にした単純な計算例です。実際の持分価格は、権利関係や取引条件によって変わります。
また、弟が2,000万円を用意できるかどうかも重要です。
金融機関の融資を利用できる場合もありますが、必ず借りられるわけではありません。
「売りたい人には現金を、残したい人には不動産を」
双方の希望を実現できる可能性がある方法です。
4.解決方法③ 自分の共有持分だけを売却する
兄弟間でどうしても話がまとまらない場合、自分の共有持分だけを第三者へ売却する方法もあります。
例えば、兄が所有する2分の1の持分だけを、不動産会社や共有持分の買取業者などに売却するケースです。
ただし、注意点があります。
共有持分だけを購入しても、買主は不動産全体を自由に利用できるわけではありません。
そのため、一般的には不動産全体を売却する場合と比較して、持分の売却価格が低くなる傾向があります。
さらに、第三者が新たな共有者となることで、残された家族との関係が複雑になる可能性もあります。
共有持分の売却は可能ですが、価格だけでなく、売却後に起こり得る問題まで考えることが大切です。
5.解決方法④ 売却せず、賃貸物件として活用する
兄弟の一方が売却に反対している場合、賃貸住宅として活用する方法も考えられます。
例えば、実家を月額12万円で貸し出せたとします。
年間家賃収入は144万円です。
ただし、そこから固定資産税、保険料、修繕費、管理費、空室による損失などを差し引く必要があります。
また、賃貸借契約の内容によっては共有者の持分の過半数による決定が必要となり、長期の賃貸借などでは全員の同意が問題となる場合もあります。
兄弟2人が持分を半分ずつ所有している場合、一方だけでは過半数に達しません。
そのため、賃貸活用についても、事前に兄弟間で合意しておくことが重要です。
家賃収入の分配、修繕費の負担、管理担当者、将来の売却方針まで決めておくと、トラブルを防ぎやすくなります。
6.解決方法⑤ どうしても話し合いがまとまらない場合は?
兄弟間で何度話し合っても解決できない場合、裁判所を利用する方法があります。
すでに共有状態が確定している不動産については、民法に基づく「共有物分割請求」が考えられます。
裁判所は事情に応じて、不動産を現物で分ける方法、特定の共有者が取得してほかの共有者に金銭を支払う方法、競売によって現金化する方法などを判断します。
ただし、必ず希望どおりの方法が認められるわけではありません。
また、まだ遺産分割が成立していない場合には、家庭裁判所での遺産分割調停などを検討する必要があります。
裁判所を利用すると、時間や費用がかかり、兄弟関係がさらに悪化する可能性もあります。
そのため、最初から裁判を考えるのではなく、客観的な査定価格や具体的な解決案を提示して話し合うことをおすすめします。
7.実は怖い!相続不動産を放置する3つのリスク
① 固定資産税・維持費が発生し続ける
誰も住んでいない実家でも、固定資産税や火災保険料、庭木の管理費、修繕費などが発生します。
空き家の期間が長くなるほど、建物の劣化が進むこともあります。
② 次の相続で共有者が増える
例えば、兄弟2人で共有していた実家について、兄が亡くなり、その子供2人が持分を相続した場合。
共有者が3人になる可能性があります。
さらに相続が重なれば、権利関係はますます複雑になります。
③ 売却に有利な税制を利用できなくなる場合がある
相続した空き家には、一定の条件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
ただし、被相続人の居住状況、建物の建築時期、売却期限など、細かな条件があります。
相続人が3人以上の場合には、控除限度額が2,000万円となるケースもあります。
また、相続税を支払っている場合には、一定期間内の売却で取得費加算の特例を利用できる可能性もあります。
いずれも適用要件があるため、税理士への確認が重要です。
8.RENOLAZEが考える、共有不動産の問題解決
兄弟で相続した不動産の問題は、単に「いくらで売れるか」だけでは解決しません。
売りたい人にも、残したい人にも、それぞれの事情や思いがあります。
大切なのは、どちらか一方の意見を押し通すことではなく、それぞれの希望を整理し、納得できる選択肢を見つけることです。
RENOLAZEでは、不動産の市場価格を確認し、売却、持分買取、賃貸活用など、状況に応じた選択肢をご提案しています。
法的な争いが生じている場合や税務判断が必要な場合には、弁護士・税理士・司法書士などの専門家との連携も重要です。
「兄弟で意見が合わず、何年も実家を売却できていない」
「自分の持分だけでも売却できるのか知りたい」
「実家を残したい家族がいるので、別の方法を考えたい」
そんなお悩みがあれば、まずは不動産の現状と市場価格を確認するところから始めてみませんか?
まとめ|兄弟で相続した不動産は、解決方法を知ることが第一歩
共有不動産は、意見が合わないからといって、必ずしも解決できないわけではありません。
全員で売却する方法、持分を買い取る方法、賃貸活用する方法など、複数の選択肢があります。
そして何より大切なのは、問題を先送りにしないことです。
「家族の思い出を大切にしながら、不動産の未来を考える。」
RENOLAZEは、そんな不動産売買のご相談にも丁寧に向き合ってまいります。
不動産売却・相続不動産についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社RENOLAZE(リノレイズ)
不動産売買の悩みを、安心と納得に変える。
※本記事は2026年10月時点の法令・税制に基づく一般的な解説です。個別の権利関係、税務、紛争の解決については、専門家への確認が必要です。












