リノベーション済の中古マンションを購入する際は、過去にどんな工事が行われていたのか、規格にきちんと適合しているのかどうかチェックすることも重要ですよね。
そんな中古マンションの適合性を判断するものとして、R3住宅というものがあることをご存知でしょうか。
今回は、R3住宅とは何か、また判断基準のポイントやメリットをご紹介します。
そもそもR3住宅とは何?
R3住宅とは、マンションの一つの専有部分だけでなく共用部分も含めた建物全体のリノベーションのフローを企画として統一し、それに適合した住宅に付与された認定のことです。
R3住宅が誕生した背景には、「中古物件はどこにどんな傷みがあるのか、修復履歴が判らない」と懸念する消費者意識の払拭がありました。
「こんなに高い買い物をするのに見えない部分に欠陥があったり、修繕していても、いつどこをどのように直したか判らない家を買うのは不安だ」という方も多かったのです。
そこで、一般社団法人リノベーション住宅推進協議会がチェック項目を定め、それに沿って中古物件のリノベーションを行い、住宅の品質や修復履歴をより明確に判りやすくしました。
こうして、施工済物件の品質・性能・施工履歴などを消費者が確認できることで中古物件も安心して購入できる=中古住宅市場の活性化といったメリットにもつながるのです。
なお、似たような規定にはR1住宅とR5住宅がありますが、R1住宅とはマンションの専有部分に対する評価で、R5住宅とは一戸建てに対する評価です。
R3住宅として認定するためのチェックポイントとは
R3住宅として認定するためには、主に以下の6つのポイントがカギとなります。
・構造安全性…新耐震基準に適合またはそれ相応の耐震基準があるか
・劣化状況…共用設備や防水性能などが、瑕疵保険を付けられる基準を満たしているか
(基準を満たしている場合、万が一瑕疵があっても5年の瑕疵保険が付けられる。
ただし、一部設備は2年のみ)
・管理規約・長期修繕計画…適正な管理規約や長期修繕計画が立てられているか
・修繕積立金…東京都優良マンション登録表示制度が奨める修繕積立金額を超えているか
(基準額は築年数によって異なる)
・法定点検…施工後も定期的な設備点検や消防点検を行う
・住宅履歴情報の蓄積…過去の修繕履歴情報をストックしておくことで、施工後の維持管理や将来の修繕、売買取引・災害や事故発生時の対応などに役立てる
リノベーション済の中古物件の購入を検討している方は、ぜひこういった点にも注目してみてください。
まとめ
これまで中古住宅の品質や性能の判断基準は、検査機関によって異なるため、一棟丸ごとリノベーションした場合の判断が難しいものでした。
しかし、基準が明確に決められた今は、中古マンション探しの際に大きな指標となるでしょう。
リノベーション済の中古マンションをお探しの際は、ぜひチェックしてみてくださいね。