住宅の新築や不動産の購入をおこなう際は、ローンの特例措置やすまい給付金といった制度を知っておくと負担を軽減することができます。
しかしこれらの制度は社会情勢や景気の動向を考慮した変更が加えられ、制度の対象や期間が変わる場合があります。
2021年の税制改正により不動産の購入にどのような変化が生じたのかを見ていきましょう。
不動産購入に関わる税制改正の内容その①特例措置の延長
特例措置とは住宅ローンを組んだ時に活用できる控除制度に関わる政策です。
年末の時点で借入残高の1%に相当する所得税や住民税の負担が軽減されます。
本来、この控除期間は最大10年間だったのですが、2019年の増税を受けて特定の条件を満たす場合に限り、最大期間が13年まで延長される特例措置が実施されました。
しかし新型コロナウイルスの蔓延により、この特例措置の条件である2020年内の入居が実現できないケースが多発したのです。
そのため、政府は住宅ローン特別措置の弾力化と延長をおこないました。
現在は、注文住宅であれば2020年10月から2021年の9月末、分譲住宅や中古住宅であれば2020年12月から2021年の11月末の間に契約を結び、2022年12月まで入居が完了すれば最大13年間の住宅ローン控除を受けられます。
また、期間の延長以外にも、住宅ローン控除が適用される物件の床面積が50平米以上から40平米以上に緩和される変更もおこなわれました。
なお、40平米以上50平米未満の物件に関する控除は、所得が1,000万以下の場合に限定されるので注意が必要です。
住宅ローン控除の特例措置は今後も情勢次第で変更される可能性があるため、常に最新の動向を確認しておくと良いでしょう。
不動産購入に関わる税制改正の内容その②すまい給付金適用期間の延長
すまい給付金は、増税による不動産購入の負担を軽減するために創設された制度です。
すまい給付金は住宅ローン控除の恩恵が少ない層に向けた制度であり、収入が少ないほど多くの給付金を受け取れます。
すまい給付金も住宅ローン控除の特例措置が延長されたのと同じく、新型コロナウイルスの影響を受けて適用期間が延長されました。
本来は2021年12月末までの期間に入居する必要がありましたが、延長により2022年12月末までに入居すれば、給付金を受けられます。
給付を受けられる収入の基準は住宅を購入した時期によっても異なってくるので、この期間に住宅を購入した方は一度調べてみると良いでしょう。