誰しもが「長く安心して住み続けられる家こそが理想のマイホーム」だと考えるでしょう。
しかし、具体的にどのような家が長期的に安全に住めるのかと問われれば、回答に窮するかもしれません。
長期優良住宅認定制度では、長く安心して住み続けられる家の基準を明瞭にしました。
今回は、長期優良住宅認定制度の概要や長期優良住宅のメリット・デメリットについてご紹介します。
マイホームの長期優良住宅認定制度とは
建物を建築する場合、建築基準法等の法律に定められた規定に則っていなければなりません。
建築基準法や建築基準関係規定には、耐震・免震構造や断熱性、床下高などさまざまな項目があり、それぞれ細かく基準が示されています。
この基準を一定以上のレベルで満たしていることを認定する制度が「長期優良住宅認定制度」です。
認定されれば、長く安全に住める家であると客観的に品質が評価されたと言えます。
新築一戸建ての場合の主な認定基準には、バリアフリー性・可変性・耐震性をはじめ、省エネルギー性や居住環境などの9項目があります。
建築基準法等をクリアしていれば建築物としては問題ありませんが、これら9つの項目等でさらに規定の水準を満たすことで「長く安全に住める」と評価されるのです。
平成21年の制度発足当初は新築住宅のみが対象でしたが、平成28年には増改築も認定されるようになりました。
マイホームが長期優良住宅の認定を受けるメリット・デメリット
長期優良住宅の認定を受けると、住宅ローン控除の借り入れ限度額の引き上げや登録免許税の軽減、固定資産税の軽減期間の延長など、税制面での優遇が受けられます。
ほかにもフラット35の金利が優遇されたり、補助金が受けられたりする場合があります。
優遇措置の内容については、年度や期間で変更になる可能性があるので、マイホームを建てる前にきちんと確認するようにしましょう。
国から長期優良住宅と認定されることで、不動産価値が上がることもメリットです。
ただし、長期優良住宅の認定を受けるためには、着工前に申請をおこなわなければなりません。
条件を満たす構造の建築であることだけでなく、完成後は30年以上にわたって10年以内ごとに点検・修繕を実施して記録を残す必要があります。
申請費用だけでなく、建築費や維持費がかかる点がデメリットです。
とくに建築費は、耐震性や省エネルギー性を満たすための構造強化で一般の住宅の2割から3割増しになることが多く、建築期間も長くなります。