(独)都市再生機構はこのたび、「子育て世代に聞く 親世帯との同居・近居に関する調査」の結果を発表した。平成27年8月12~13日に、「親世帯と同居しており、15歳以下の子を持つ五大都市圏の20~49歳の男女」(412人)と、「親世帯と近居しており、15歳以下の子を持つ五大都市圏の20~49歳の男女」(412人)を対象として、インターネット調査を実施したもの。
同居・近居のきっかけは、最多が「結婚」、次いで「住宅購入」、「出産」
同居・近居を始めたきっかけを聞いたところ、全体で最も多かったのは「結婚」(同居24.5%、近居51.5%)だった(図1)。「結婚」を選んだ人を年代別に見ると、20代では同居38.3%・近居72.7%、30代では同24.2%・51.7%、40代では同21.9%・47.7%となり、特に20代の近居者が高い割合となった。同機構では、「若い世代において、結婚を機に近居をすることがトレンドであると言えそうだ」としている。
次いで多かったのは、「住宅購入」(同14.6%、24.0%)、「出産」(同11.9%、8.3%)、「経済問題」(12.1%、1.5%)などだった。
また、同居者と近居者にそれぞれのメリットを聞いたところ、同居者では「子どもの緊急時に、対応してもらえる(急な発熱による保育園のお迎えなど)」(55.6%)が、近居者では「孫の成長を見せられる」(59.0%)が、最も多かった(図2)。「同居者・近居者ともに親世帯による子育ての支援に助かっていることや、近居者は親世帯(祖父母)に孫の顔を頻繁に見せられることを嬉しく感じていることがわかる」と同機構では見ている。
![図1:現在の両親(義父母含む)との居住距離(同居もしくは車や電車での距離)を始めた理由・上位15位(複数回答・総数824人)](http://www.fudousan.or.jp/topics/1512/images/img1512_1a.gif)
![図2:現在の両親(義父母含む)との居住距離(同居もしくは車や電車での距離)に、どのようなメリットを感じているか(複数回答・総数824人)](http://www.fudousan.or.jp/topics/1512/images/img1512_1b.gif)
※(独)都市再生機構 「子育て世代に聞く 親世帯との同居・近居に関する調査」より抜粋して作成
同居・近居者ともに、親世帯に期待するのは「子どもの緊急時に対応してもらえる」こと
結婚や住宅購入のタイミングで住まいの形を見直すときに、子ども世帯が親世帯にどのようなことを期待しているのかを聞いたところ、同居者では、「子どもの緊急時に対応してもらえる」(50.7%)が最も多く、次いで「不在時のサポート」(35.2%)、「家事の支援」(31.3%)の順となった。近居者では、最多が「子どもの緊急時に対応してもらえる」(50.0%)で、次いで「不在時のサポート」(29.1%)、「子どもの教育の支援」(22.1%)の順だった。
同機構は「近居者の4人に1人は『世帯間の交流ができる』ことを期待しており、親世帯が近居していることが子どもにとっても良いことだと感じているようだ」と指摘しており、「孫と祖父母のコミュニケーションが頻繁にできることも同居や近居の良さと言える」としている。