リノベ済中古マンションは、古くなった設備を取り替えたり、内装を新しくしたりしているため、引き渡しが済み次第、きれいなマイホームで新生活を始めることができます。
また、施工が済んでいるためリノベーション用の費用を別に用意する手間や、施工が終わるまでの間の仮住まいを探す必要もありません。
そうした魅力のあるリノベ済中古マンションですが、『中古』である以上、その寿命がどのくらい持つのかと心配される方も少なくありません。
せっかく念願のマイホームを購入したのに、買って早々寿命を迎えて住めなくなるとなれば、それは嫌ですよね。
では、リノベ済中古マンションの寿命は、どのくらい持つのでしょうか。
耐用年数=寿命とは限らない
最初に結論から述べると、マンションの寿命は、たとえリノベ済であってもどのくらい持つかは断言できません。
その理由として挙げられる2つのキーワードが、『耐用年数』と『管理』です。
建物は完成した時から価値が徐々に減る=減価償却されますが、この減価償却が0になるまでの年数を耐用年数と言います。
例えば、国税庁が設定しているマンションの耐用年数は47年となっており、マンション購入時はこれを基準に希望の築年数を決める方もいらっしゃるでしょう。
ただ、耐用年数には経済的・期待的・物理的の3つの要因があると考えられており、このうちのどれに当てはまるかで年数が異なるとされています。
参考資料:国土交通省『期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について』
中古住宅の流通促進を国が目指している今、耐用年数=寿命という考えは、もう過去のものとなりつつあると言えるかもしれません。
マンションの寿命は管理で左右される
マンションを購入する前のチェックポイントの1つに、管理組合の体制や修繕計画について調べるという点があります。
その理由は、この管理組合や修繕計画次第で、マンションの寿命が左右されるため。
マンションは一戸建てと違い、様々な世帯の方が同じ建物の中で暮らす不動産物件です。
そのため、エレベーターや駐車場・駐輪場などの共用部分の修繕費用は、全ての世帯が平等に負担しなくてはいけません。
そして、各世帯の修繕費用の管理や今後の修繕計画の立案・管理を行うのが、管理組合です。
たとえ築年数が古くても、必要な時期に必要な修繕が行われるマンションは、その分寿命が延び、長く暮らすことができます。
適切な修繕がされていれば、耐用年数に達した築年数が古いマンションでも引き続き住み続けることが可能となるため、マンション購入前には管理の部分をしっかり見極めることが大切なのです。
まとめ
耐用年数の定義が変わりつつある今、マンションの寿命は、単純に築年数が古いから短い、リノベ済だから延命されたと考えることはおすすめできません。
むしろ、リノベーションや修繕を行うことで、「どの程度資産価値が変動したのか」という点にも着目して判断することが大切と考えられます。
築年数が経過したリノベ済マンションを購入する際は、ぜひ参考にしてみてください。