昨今、省エネを追求した暮らしをご希望される方や、それを叶える住まいの開発が進んでいますね。
最近では、IT技術を取り入れたスマートハウスという新しいタイプの省エネ住宅も誕生し、リノベーションをする際にも、環境にやさしい住まいを求める方が増えてきました。
そんな省エネ住宅の中で今注目され始めているのが、パッシブハウスです。
パッシブハウスとはどんな家?
パッシブハウスとは、建物の断熱性や気密性を高め、冷暖房稼働時に使用するエネルギーを極力抑えることを目的とした家のことです。
パッシブハウスの発祥は、1990年代初頭のドイツで、その後パッシブハウス研究所という専門施設も完成しました。
パッシブハウスの特徴は、とにかくエネルギーカットを徹底した造りとなっていること。
そのため、リノベーションで比較的人気のある床暖房は使われません。
また、パッシブハウスと名乗れるのは、先述のドイツの研究所が定めた厳しい基準をクリアした建物だけです。
例えば、使用する断熱材の厚みは最低30cmだったり、窓は三重ガラス+断熱材を使用したサッシを採用するなどの条件があります。
これらの条件に則した建材を利用してリノベーションをする場合、通常のリノベーションと比較すると、やはり建築コストが高くなってしまいます。
しかし、完成後は使用エネルギーにかかるランニングコストの削減効果が期待されるため、環境だけでなく家計にやさしい住まいを実現できるでしょう。
スマートハウスとの違いは?
冒頭で触れたスマートハウスも、環境に配慮した省エネ住宅の一種ですが、パッシブハウスとの違いは、エネルギーのコントロールをITで行う点です。
IT技術を駆使したスマートハウスは、機械によって自動で家中のエネルギーをコントロールするため、必要最小限の消費量で済ませることができます。
また、冷暖房機器も使用する点も異なります。
一方、パッシブハウスは機械式ではなく、家の造りや建材でエネルギーカットを行うため、冷暖房機器はほとんど使用しません。
それゆえ、スマートハウス以上に消費量を抑えやすいという違いがあります。
省エネ住宅へリノベーションを行う場合は、両者の違いをじっくり比較して検討してみてください。
まとめ
日本ではまだあまり馴染みがないパッシブハウスですが、一戸建てを中心に、少しずつ広まりつつあります。
いずれマンションのリノベーションでも、パッシブハウスを採用されるケースが増え、それが一般的と言える時代が来るかもしれません。
今後、環境に配慮した暮らしをご希望なら、パッシブハウスでのリノベーションも検討してみてはいかがでしょうか。