住んでいるマンションの住宅ローンが残っている方の中には、繰り上げ返済を考えたことのある方も多いのではないかと思います。
繰り上げ返済をしたほうがいいのかどうかは、状況にもよって異なりますので、事前に確認しておくことが重要です。
繰り上げ返済のメリットとは?
金利の負担がなくなるのが心理的には大きいでしょう。
特に変動金利で住宅ローンを組んでいる方には、将来の経済情勢の変化による金利高騰の心配がなくなるのは気分的に楽になります。
実利の面では、住んでいるマンションを早期に売却する場合にはメリットがあります。
売却代金でローン返済を考える必要がないので、売却価格をある程度自由に設定することができます。
一部しか繰り上げ返済できなくても、ローン残債を市場相場より下げられれば十分に効果があります。
完済すれば抵当権を抹消できるので、契約日から決済日までの期間を短くでき、早期に買取を希望する不動産業者との取引も可能になります。
抵当権とは、金融機関が融資を行う際に、もし債務者が返済を滞納したとしても担保として差し押さえることができる権利で、売買の際には大きな足かせになります。
繰り上げ返済のデメリットとは?
手元の資金が大きく減少するのが最大のデメリットです。
住宅ローンは他のローンと比べても金利が低く、まとまった資金が必要になったときに借り換えをするのでは、繰り上げ返済した意味がありません。
マンションなどの住宅を購入した場合は、年収3000万円以下などの条件をクリアしていれば住宅ローンの控除が適用されて、納税額を抑えることができます。
しかし、繰り上げ返済してしまえば、当然この適用はなくなります。
さらに、金融機関によっては「期限前完済手数料」という名目で手数料を支払う必要があります。
住宅ローンによる税額控除の額と、発生する利息の額との比較によっては、メリットにもデメリットにもなりえます。
まとめ
マンションの売却、買い替えを考えている場合には、繰り上げ返済はメリットがありますが、そのほかのケースでは例外もあり、あまり考える必要はなさそうです。
経営の世界には、キャッシュ・イズ・キングという言葉がありますが、手元にある程度まとまった現金を確保しておくことは非常に重要です。
将来の経済動向、あるいは住んでいる街や売却後に住む街がどのように変わっていくかは不確定要素を多く含みます。
少なくとも現段階で後悔しないマンション選びをすること、それに財政面にゆとりを持っておくことが非常に大切です。