団体信用生命保険(団信)に加入していれば、マイホームの住宅ローンの名義人だった配偶者が死亡しても、残債を免責してもらえるので、相続人が経済的負担を負うことはありません。
そして、住宅ローンが清算されれば、その返済分、家計が楽になります。
では、団信で住宅ローンの清算ができた家に住み続ける場合と、売却する場合とのデメリットについて、考えてみましょう。
団信でローン返済した後も住み続ける場合
団信でローンを完済した後に、今お住まいのマイホームにこれからも住み続けるメリットは、多くあります。
「慣れた環境で暮らせること」「住宅ローンの返済や家賃の心配がないこと」などがメリットとして挙げられるでしょう。
また、残された配偶者が家を相続する場合、相続税が免除される点も嬉しいポイントです。
一方で、固定資産税と家の維持費がかかる点には注意が必要です。
固定資産税は、固定資産税評価額の1.4%を毎年支払わなければなりません。
団信でローン返済した後に売却する場合
売却する場合は現金化できることが大きなメリットとなるでしょう。
残されたマイホームが共有名義である場合や、相続人が複数いて不動産をそのまま所有する場合などは、適切な割合での相続が難しいです。
そういった際に、売却して現金化することで適切な割合で配分が可能になり、後々起こりやすいトラブルを回避できますよ。
逆にデメリットとしては、引っ越しの手間が発生することで、譲渡所得税や引っ越し費用、売却の仲介を依頼する不動産会社に払う仲介手数料などが必要になります。
すぐに売却先が見つかるとは限らないですし、満足のいく価格で売却できるかも不確定です。
団信でローン返済した後に売却する際の注意点
団信で住宅ローンが完済されても相続登記の手続きをして名義人を変更するまではマイホームを売る事は出来ません。
相続登記は遺言書の有無の確認、相続人の調査、相続財産の調査、遺産分割協議、遺産分割協議書の作成といった手順を踏む必要があり、自力で行うのは非常に困難です。
そのため、まずは司法書士に相談する事をお勧めします。
こうした手間がかかることは、売却を選択する場合のデメリットと言えるでしょう。
まとめ
団信で住宅ローンを完済したマイホームに住み続けたほうがいいのか、手放したほうが良いのかは、それぞれの状況によって異なるので、安直に結論を出すことはできません。
身内の不幸は精神的に負担になるのはもちろん、これまで見てきたようにさまざまな手続き発生すること、大きな決断を迫られることが出てきます。
利用しなくていいような状況であることが一番望ましいわけですが、団信はいざというときには大きく役に立ってくれるので、是非有効に活用してください。