新築に住むのがステータスという新築至上主義の時代が長く続きましたが、時代の変化によりその価値観は変化してきました。
2001年~2002年頃、クリエイティブな仕事をしている人を中心に、中古住宅・マンション、倉庫などをリノベーションして住まいにすることが注目され、一般的に広まっていきました。
雑誌やテレビなどでは特集が組まれ、空き家を改装した古民家カフェが流行したことからも、元々ある家を自分の好きなように手を加えることに魅力を感じる人が増えていったのです。
若い世代を中心に、古くても好きな場所で好きな建物で自分だけの特別な家を作りたい、そう考える層は増加の傾向にあります。
ライフスタイルや食生活に気をつかい、丁寧&エコな暮らしを心がける人が増えていますがその思考は住まいへの考え方にも及ぶようになりました。
深刻な異常気象が地球のあちこちで頻発しており、森林伐採による地球温暖化や自然環境の保護を意識し、少しでも地球に優しいことをしようという取り組みが広がっています。
そのひとつとして、リノベーションにスポットライトがあたりました。
日本の住宅建築事情は『スクラップ&ビルド』と表現されることがあります。
これは壊しては、建てるという意味です。
建物の解体時には大量の廃材が生まれ、新築時には大量の木材が必要となります。
リノベーションでは、これを最小限に抑えることができるので環境保護の面でも注目されているのです。
新築の物件を考えたとき、湾岸エリアなど埋め立て地や山を切り崩した場所を選ぶことになってしまうケースも少なくないでしょう。
災害時に埋立地や海側、山の近くは危険性が低いとは言い難いのが現状です。しかし、地盤の固い、歴史のある街はそういった街の新築物件は数そのものが少なく、高額です。
そこで注目されるのが中古住宅です。
元ある建物なので選択肢が増えること、新築に比べて価格が抑えられることなど、様々なメリットがあります。
現代の日本では、高齢化や人口の減少に伴い、空き家の増加が大きな社会問題になっています。
そこで、国や多くの企業が中古市場の活性化に積極的に参入するようになったのです。
国の政策はストック(質)重視にシフトされてきています。
住宅がそのまま空き家として放置されるということは国家として資産が凍結していることと一緒です。
『スクラップ&ビルド』を繰り返すのではなく、優良な建物はそのままに、うまく活用していく取り組みがはじまりました。
国や企業が中古市場・リノベーションに力を入れることにより、業界全体の質が底上げされているというのも注目されることになった大きな要因です。
リノベーションが注目されるようになり、金融機関はリノベーション費用のローンの取り扱いをはじめるようになりました。
「リノベーション費用+中古住宅購入費」をまとめて借り入れることが可能です。
様々な保険も充実してきているのでご自身にあった資金計画を練っていけるのも魅力です。