中古マンションの購入の検討をしている方は、『現状私(現状有姿渡し)』という言葉をよく目にしているかもしれません。
これは言葉のとおり、物件の修理やリフォームをせずに、そのままの状態で買主に引き渡されるという意味です。
契約書に、『現状有姿渡し』や『瑕疵担保免責(※瑕疵(欠陥・不具合)があった場合、売主にはその責任がないとされること)』という条項があったとき、物件の引き渡し後に何かあっても売主に修繕費用等を請求できない場合があります。
自分自身でしっかりと物件を見て、気になること・心配なことは売り主や仲介業者に確認した上で売買契約をしなければいけません。
『現状渡し』の場合で、物件のチェックしておくべきところはどこなのか、しっかりと頭に入れておきましょう。
・窓
シングルガラスの場合、結露が起こりやすいので窓のまわりにカビが発生していないか見ておきましょう。
シングルガラスからペアガラスへ交換したい場合、それが可能かも確認が必要です。窓ガラス部分は共用部なので勝手に交換はできません。
また、窓に歪み・隙間がないか、スムーズに開閉できるのかも確認を。
・バルコニー
コンクリートの部分にひび割れがないか、手すりに錆がないかをチェックしましょう。
バルコニーから見渡してみて、空き地、駐車場がないかも確認してください。将来的にマンションなどの建物が建つ可能性があるのでそのあたりの考慮も必要です。
・壁
黒ずみ・黄ばみがないか、押しピンの穴がないか、壁紙のはがれそうなところがないかをチェック。
・床
フローリングに傷があったり、畳が傷んだりしていないか確認をしましょう。
・防音対策
床や壁の防音がしっかりとしているか、
朝昼夜の時間帯別、平日・休日と、何回も足を運んで騒音の不安を解消しておくとより安心です。
・日当たり・方角
時間帯によって日照具合は変わりますが、方角なども考慮した上で日当たりを確認しましょう。部屋の電気をすべて消したときの状態も見ておくのがおすすめです。
・水まわり
一番重要な水まわりは、トラブルの多い場所なので細かくチェックをしましょう。修繕や取替えが必要になると高額な出費になってしまいます。
漏水、排水のチェックは可能であれば実際に水を流してみてください。下水の臭いがしないかも確認を。
・ドアのたてつけ
隙間がないか、建具がしっかりとしているか、錆がないかチェックを。
・傾き
ビー玉を転がして、傾いていないかをチェック。住み始めてから「おかしい」と思っても手遅れです。
・電圧
電圧は40A(アンペア)以上を目安に探しましょう。
オール電化を検討している場合や電圧の変更の可能性がある場合はそれができるか確認を。物件によっては規約で変更できない場合があるので注意してください。
そのほかには、前の住人が他の居住者と騒音トラブルがなかったか、携帯の電波状況、コンセントの数や位置、将来的に自分でリフォームをする可能性がある方は、撤去可能な壁と撤去不可の壁の確認もしておくと良いです。
引き渡し後に思わぬ欠陥や不具合で、高額な請求がきてしまったという悲劇的なケースもあります。
素人目では分からない、見えないところのパイプのヒビ割れなどの可能性もあるので、多少の費用はかかってしまいますが専門の業者に物件のチェックを行ってもらうのも不安を減らすひとつの方法です。