どれだけ新しくきれいな物も、時間の経過とともにその価値は少しずつ下がっていきます。
それは家も同じで、マンションもいつかは耐用年数のリミットを迎える時が来ます。
では、マンションの耐用年数の期間とは、一体どのくらいなのでしょうか。
国が決めた耐用年数=寿命ではない
マンションは、鉄筋コンクリート構造(RC造)または鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)で建てられていますが、国はこの構造の建物の耐用年数を47年と定めています。
そのため、この年数を超えると建物の資産価値が0になると考えられているため、法律の観点としての耐用年数は47年がリミットということになります。
ただし、法律上の資産価値がなくなったからといって、すぐに取り壊さなくてはいけないのかというと、必ずしもそうとは限りません。
建物のメンテナンスが、定期的にきちんとされている管理の行き届いた物件であれば、その分寿命を延ばすことができます。
設備の寿命にも注目しよう
マンションの寿命を左右するもう1つのポイントが、建物の設備です。
エレベーターや配管などの設備は、建物自体の耐用年数より短期間で設計されていることがほとんどです。
例えば、メーカーによりますがエレベーターの耐用年数はおよそ25年~30年で設計されていることが多く、配管は20年~30年となっています。
特に配管は、古くなると漏水や錆交じりの水が出やすくなるなど、生活に大きな支障を及ぼす要因となります。
さらに、古いマンションは建物の材料であるコンクリートに配管を埋めて建てられたケースが多く、配管だけの交換ができません。
そうした設備の交換は大掛かりなものとなるため、それを機に建物を取り壊して、耐用年数のリミット前でも建て替えるというケースもあるのです。
購入したマイホームで少しでも永く暮らすために
これまでのお話で、耐用年数=建物の寿命というわけではないことが少しお解りいただけたかと思います。
そして日本では、マンションの寿命を延ばし、多くの方が永く暮らすことができるように、様々な工夫や技術開発を行っています。
例えば、マンションの材料となるコンクリートは、100年200年と長期間耐えることができるように質を上げたり、風雨や塩害に強い塗装を行うなどの工夫がされています。
また配管については、リフォームやリノベーションを行う際に、施工がしやすいスケルトン・インフィル工法を用いて造られることが増えました。
こうした材料・工法などの技術向上に加え、建物全体の定期的なメンテナンスを行い管理を徹底することで、より永いマイホーム生活を送れるようになるのです。
まとめ
法律上の取り決めはあるものの、使われる材料の質・工法・住まいへの管理意識次第で、耐用年数を超えたマンションでも暮らせる可能性を高めることができます。
今後中古マンションを購入される時は、耐用年数以外の点にも注目して物件探しを行いましょう。