不動産の購入は高額取引となる分、購入前の流れでもやるべきことが多いということは、多くの方がご理解されているかと思います。
そして本契約の際、最も時間が割かれる手続きが『重要事項説明』です。
適当に聞いてはいけない!重要事項説明
重要事項説明は、通称『重説』とも呼ばれる項目で、文字通り不動産購入における重要な事柄を、宅地建物取引士(宅建士)が説明する流れとなっています。
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冒頭でも触れたように、この重説は本契約時に1番時間をかけて行われる手順です。
なぜそれほど時間をかけて説明するのかというと、売買契約書への署名・捺印をすることは、「この重説の内容を理解しました・承知しました」と意味するため。
もちろん、署名・捺印をした後に「そんな話は聞いていない」「ここが納得いかない」と申し立てることはできません。
そのため、重要事項説明は適当に聞かず、しっかりと聞く必要があるのです。
重説の流れは?確認するべき注意点は?
不動産購入における重説の流れは、以下の通りに進められます。
①宅建士が最初に書類へ署名・捺印し、これからどういった内容を確認していただくのか口頭にて説明を行う。
②物件の概要や登記事項に誤りがないか、売主様の抵当権は抹消されているか
③購入予定の不動産物件が都市計画法や建築基準法に違反していないか、その他法令による制限の有無
④水道や電気などのインフラに関する制限の有無
⑤その他の規制の有無
⑥契約条件に相違はないか
⑦瑕疵担保責任の履行措置制度
上記が不動産購入における重要事項説明の一連の流れです。
なお、マンション購入時は、⑤と⑥の間にマンションに関する各種事項の確認も行われます。
専有部分の条件や共用部分の権利条件・管理費や修繕積立金・リフォーム時の禁止事項など、事細かに説明させていただきます。
署名・捺印は疑問点を必ずクリアにしてから行う
これまでの話の中で、重説でどれだけ多くの注意点を確認する必要があるのかということがお解りいただけたでしょう。
高額取引ゆえに、ご説明させていただく項目がどうしても多くなってしまいますが、これは法律で義務付けられているため、申し訳ございませんが省略することはできません。
また、不動産購入後にトラブルとなることがないよう、お客様から署名・捺印をいただくのは、全ての重説が終了して疑問が払拭された時と決められています。
そのため、「ここが少し疑問だけど、まあ良いかな」「あの点が少し気になるけど、大丈夫だろう」と安易に判断されず、疑問や質問は全て宅建士へお尋ねください。
まとめ
せっかくの不動産購入も、どれか1つでも手順をおざなりにしてしまうと、後々大きなトラブルになってしまうかもしれません。
そうならないためにも、重要事項説明を含めた各手順の流れと注意点をしっかり踏まえ、売買契約に臨みましょう。