
売れないマンションは値下げすべき?賃貸に切り替える前に確認したい5つのこと
「先月値下げしたのに問い合わせがない」「これ以上下げるくらいなら貸した方がよいのでは?」
マンションの売却を始めたものの、想定した反響が得られないとき、こうした悩みを抱える方は少なくありません。
大切なのは、値下げ・賃貸・販売継続のどれかを感覚で選ばないことです。今回のRENOLAZEコラムでは、今の販売状況と将来の手残りを一緒に考える方法を解説します。
1.問い合わせゼロ=価格が高すぎる、とは限らない
最初に確認したいのは、値下げ幅ではなく、売却活動のどこに問題があるかです。
- 広告の閲覧が少ない場合: 写真、広告見出し、掲載情報の充実度、露出機会を点検します。
- 閲覧は多いのに問い合わせが少ない場合: 競合の価格・階数・広さ・眺望などと比較して、買主に選ばれない理由を探します。
- 問い合わせはあるのに内見につながらない場合: 日程調整や案内情報、購入条件とのミスマッチを確認します。
- 内見後に申込みがない場合: 室内状態や価格の印象、他物件との比較理由を分析します。
「同じマンションの売出価格」だけでなく、実際の成約価格と売出中住戸の条件を分けて見ることが重要です。競合の価格変更があっても、売出価格の低下と成約相場の低下は同義ではありません。
2.値下げするなら「何円下げるか」より「誰に選ばれるか」
例えば価格を少し下げても、買主の検索予算帯や競合との相対的な魅力が変わらなければ、反響は改善しない可能性があります。逆に、写真・広告文・室内の見せ方を改めることで改善するケースも考えられます。
価格見直しを検討する場合は、
①直近の実成約価格、②同じ建物・近隣の競合物件、③広告の閲覧数と内見数、④売却期限、⑤売主の最低希望手取り額を整理し、変更の理由を説明できる状態にしましょう。
3.賃貸に切り替える前に「家賃」ではなく「手残り」を計算する
賃貸にすれば毎月家賃が入る一方、管理費や修繕積立金、固定資産税、募集費用、空室期間、原状回復費などがかかります。家賃の合計と、実際に残る現金は異なります。
仮の試算例(実在物件の査定ではありません):売却想定価格7,000万円のマンションを、月額25万円で貸すケースを考えます。
| 項目 | 年額(概算・仮定) |
|---|---|
| 受取家賃(11か月入居、1か月空室) | 275万円 |
| 管理費・修繕積立金(月4万円) | ▲48万円 |
| 固定資産税・都市計画税 | ▲15万円 |
| 賃貸管理手数料(受取家賃の5%を仮定) | ▲13.75万円 |
| 募集関連費用(1回発生を仮定) | ▲25万円 |
| 修繕・保険等の想定支出 | ▲20万円 |
| 概算年間手残り | 153.25万円 |
この仮定では、「売却想定価格7,000万円に対する年間手残りの比率は約2.19%」です。
借入返済、所得税等、初期改修費、突発修繕、売却時費用は含んでいません。費用の発生年によって収支は変動し、実際の賃貸利回りや利益を示す数値でもありません。
なお、税務上の不動産所得は原則として「総収入金額-必要経費」で計算しますが、税務上の所得と現金の手残りは一致しません。減価償却費や借入元本の返済などを分けて確認する必要があります。
4.賃貸にすると、将来の売却が難しくなることもある
賃貸中でもマンションを売却することはできます。ただし、入居者がいる状態では、実際に住みたい買主がすぐに入居できず、投資用物件として比較される場合があります。
空室の実需向け売却と、賃借人付きの売却では、想定する買主層や価格の考え方が変わります。
また、普通借家契約を結んだあと、オーナーが「売りたいから」と希望するだけで借主に退去を求められるわけではありません。将来の売却時期を見据えて定期借家契約を検討する場合も、制度上の手続きや借主への説明が必要です。
住宅ローンが残っている物件は特に注意してください。 居住目的のローンを利用している場合、第三者への賃貸が契約条件に影響する可能性があります。賃貸募集前に必ず融資金融機関へ確認しましょう。
5.自宅だった物件は「3,000万円特別控除」の期限も確認
かつて自分が住んでいたマイホームを売る場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
国税庁によれば、以前住んでいた家屋については、原則として住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが期限要件の一つです。
住まなくなった後に賃貸したというだけで直ちに対象外になるわけではありませんが、賃貸を続けるうちに期限を逃す可能性があります。適用には他にも要件がありますので、税理士等にご確認ください。
結論:今売るか、貸すかは「3つの数字」で決める
判断の出発点は、①現在の現実的な成約想定価格、②貸した場合の年間キャッシュフロー、③将来いつ売却したいかという期限です。
早期に現金化したい方と、家賃を得ながら長く保有できる方では、最適な選択は異なります。RENOLAZEでは、売却価格の査定だけでなく、賃料の見通しと保有コストも並べて考えることをおすすめします。
「値下げをする前に判断材料を整理したい」「売却と賃貸を比較したい」という方は、ぜひRENOLAZEへご相談ください。
株式会社RENOLAZE(リノレイズ)
公式サイト:https://www.renolaze.jp/
TEL:03-5341-4693
※本記事は2026年10月24日時点で確認できる公的情報に基づく一般的な解説です。個別の税務・契約・金融機関の取扱いは条件によって異なります。
参考資料(公的機関・一次情報)
- 国税庁「No.3314 過去に居住していたマイホームを売ったとき」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3314.htm
- 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
- 国税庁「No.1370 不動産収入を受け取ったとき」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
- 国土交通省「定期建物賃貸借Q&A」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000060.html
- 住宅金融支援機構(フラット35の利用目的に関する注意) https://csys.jhf.go.jp/












