
【2026年最新版】家が売れたのに契約解除!? 買主からキャンセルされたら手付金・違約金はどうなる?
売買契約後のトラブルを防ぐために知っておきたい3つの解除ルール
2026年10月23日|RENOLAZE(リノレイズ)不動産売買コラム
「やっとマンションの買主が見つかった!」
「売買契約も締結したし、あとは引渡しを待つだけ!」
ところが、そんな矢先に不動産会社から突然の連絡。
「買主様から、購入をキャンセルしたいと連絡がありました……」
売主様にとって、これほど困る話はありません。
すでに引っ越しの準備を進めていたり、次の住宅の購入契約を締結していたりすれば、資金計画そのものが狂ってしまう可能性もあります。
「契約したのに、そんな簡単にキャンセルできるの?」
「手付金は返さなくていい?」
「違約金は請求できる?」
今回は、不動産売買契約後に買主からキャンセルを申し出られた場合の対処法を、具体的な事例を交えて解説します。
実は、同じ『キャンセル』でも、解除の理由によって売主・買主の負担は大きく変わるのです。
1. 売買契約後でもキャンセルはできる?
結論から言うと、売買契約後でも解除できる場合があります。
ただし、「気が変わったから、なかったことにしてください」というだけで、必ず無条件に解除できるわけではありません。
不動産売買では、主に次の3つの解除方法が問題になります。
| 解除方法 | 主な条件 | 手付金の扱い |
|---|---|---|
| 手付解除 | 所定の期限内など、解除が認められる条件を満たす | 買主が手付金を放棄 |
| 住宅ローン特約による解除 | 契約で定めた融資条件が満たされない | 原則として買主に返還 |
| 債務不履行による解除 | 契約上の義務が履行されず、法的な解除要件を満たす | 契約条項や損害賠償の精算による |
※実際の判断には契約書の内容、売主が宅地建物取引業者かどうか、履行状況などが影響します。
特に売主様に知っていただきたいのは、手付金が返ってくるケースと、売主が受け取れるケースがあるという点です。
2. ケース①「やっぱり買うのをやめたい」買主都合のキャンセル
例えば、次のような取引を考えてみましょう。
売買価格:8,000万円
手付金:400万円
売買契約締結後、買主が「別のマンションの方が気に入ったので、購入をやめたい」と申し出ました。
この場合、手付解除が可能な段階であれば、買主は手付金400万円を放棄して契約を解除できます。
売主は原則として、その400万円を返還する必要はありません。
ただし、手付解除には条件があります。
一般に、相手方が契約の履行に着手していないことや、契約で定めた手付解除期限などが問題になります。
また、売主が宅地建物取引業者で買主が宅建業者でない場合には、宅地建物取引業法第39条による買主保護のルールが適用されます。
そのため、「手付金を払えば、いつでもキャンセルできる」という理解は正しくありません。
なお、売主側の都合で手付解除する場合には、通常、受領した手付金の倍額を現実に提供する必要があります。
3. ケース②「住宅ローンが通らなかった」手付金はどうなる?
ここは、売主様が特に注意したいポイントです。
例えば、8,000万円のマンションについて売買契約を締結し、買主が7,000万円の住宅ローンを申し込んだとします。
ところが、金融機関の本審査で融資が否認されました。
このとき、契約書に有効な住宅ローン特約があり、所定の条件を満たしていれば、買主は違約金を負担せずに契約を解除できる場合があります。
この場合、売主は受け取った手付金400万円を返還することになります。
売主様からすれば、
「こちらには何の落ち度もないのに、どうして?」
と思われるかもしれません。
しかし、住宅ローン特約は、買主が予定していた融資を受けられなかった場合に備えて、あらかじめ売主と買主が合意する契約条件です。
ただし、ローンが通らなければ何でも白紙解除できるわけではありません。
例えば、買主が必要書類を提出しなかった、契約で定めた金融機関に申し込まなかった、虚偽の申告をした、といった事情があれば、特約の適用が認められない可能性があります。
また、解除期限がある場合には、期限内に必要な手続きを行うことが重要です。
売主様は、買主からローン特約による解除を申し出られたら、少なくとも次の事項を確認しましょう。
契約書に記載された融資申込先・金額・解除期限
金融機関による融資否認の内容
買主が必要な申込手続きを行っていたか
契約で定めた解除条件と通知手続きが満たされているか
ローン特約の有無だけでなく、適用条件まで確認することが大切です。
4. ケース③ 手付解除の期限が過ぎた後にキャンセルされたら?
例えば、売買価格8,000万円、手付金400万円、契約違反による違約金を売買代金の10%と定めたケースです。
買主が残代金を支払わず、契約で定めた履行義務に違反した場合、解除要件を満たせば、売主は違約金を請求できる可能性があります。
違約金10%なら800万円です。
この場合、受領済みの手付金400万円を違約金に充当し、差額400万円を追加請求する、といった精算が考えられます。
ただし、手付解除期限が過ぎたからといって、自動的に違約金800万円が発生するわけではありません。
契約違反の内容、履行遅滞、催告の要否、解除通知、違約金条項などを確認する必要があります。
また、違約金を10%とするのは今回の仮定です。実際の契約では異なる割合や条件が定められている場合があります。
売主様が自己判断で手付金を没収したり、追加請求を行ったりする前に、契約書を確認することが重要です。
5. 【実例】ローン特約の期限を過ぎたら、手付金は戻らない?
実際の裁判でも、住宅ローン特約の期限は重要な争点になっています。
不動産適正取引推進機構が紹介する裁判例には、融資特約による解除期限が経過した後、売買代金の支払時期を延長する覚書を締結したものの、融資特約の解除期限まで延長されたとは認められず、買主の手付金返還請求が棄却された事例があります。
この事例から学べるのは、「決済日を延長したから、住宅ローン特約の期限も延長されたはず」と安易に考えてはいけないということです。
売買契約の条件を変更するときは、何を変更し、何を変更しないのか、書面で明確にすることが重要です。
※裁判例は個別事情に基づく判断であり、すべての取引に同じ結論が適用されるわけではありません。
6. 買主からキャンセルの連絡が来たら、売主がすべき5つのこと
① 解除理由を確認する
「住宅ローンが通らなかった」「購入資金が足りなくなった」「別の物件を買いたい」など、理由によって対応は異なります。
まずは不動産会社を通じて、解除理由を確認しましょう。
② 売買契約書を確認する
手付解除期限、融資特約、違約金、解除通知の方法などを確認します。
特に解除期限が迫っている場合は、速やかな対応が必要です。
③ 手付金・違約金の扱いを整理する
手付解除なのか、ローン特約による解除なのか、債務不履行による解除なのかによって、金銭の精算方法が変わります。
④ 次の住宅購入や引っ越し予定への影響を確認する
住み替えを予定している場合は、現在の自宅の売却代金が入らないことで、次の住宅購入に影響することがあります。
売却契約の解除と同時に、次の購入契約の資金計画も確認しましょう。
⑤ 再販売の戦略を立て直す
契約が解除された場合、いつまでも落ち込んでいるわけにはいきません。
再販売する場合は、前回の販売価格、問い合わせ数、内見状況、購入申込の内容を分析し、販売戦略を見直します。
ただし、売買契約が法的に終了しているか、手付金や違約金の精算がどうなるかを確認してから進めることが大切です。
7. 売買契約のキャンセルを防ぐには?
契約後のトラブルを減らすためには、契約前の準備が重要です。
住宅ローンを利用する買主の場合、事前審査の結果、自己資金、借入予定額、返済計画を確認します。
売主が住み替えを予定している場合は、現在の自宅の売却が予定どおり進まなかった場合の対応も考えておく必要があります。
また、契約条件を曖昧にしないことも重要です。
例えば、住宅ローン特約の対象金融機関や解除期限、売買代金の支払日、引渡し条件などです。
不動産売買で大切なのは、契約を成立させることだけではありません。最後の決済・引渡しまで安全に進めることです。
8. RENOLAZEが考える「安心できる不動産売買」
不動産は、多くの方にとって人生で最も大きな資産の一つです。
だからこそ、売買契約を締結した後も、決済が完了するまでは慎重な対応が必要です。
「買主が見つかったから安心」
「売買契約を締結したから、もう大丈夫」
そう思いたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、住宅ローン審査、契約条件、引渡しまでのスケジュールなど、最後まで確認すべきことがあります。
私たちRENOLAZEは、単に不動産を売ることではなく、売主様・買主様が納得し、安心して取引を終えられることを大切にしたいと考えています。
9. 売買契約後のキャンセル・売却トラブルでお悩みの方へ
「買主から突然キャンセルしたいと言われた」
「住宅ローン特約で手付金を返してほしいと言われている」
「違約金を請求できるのか分からない」
「契約が解除されてしまったので、もう一度売却したい」
そんなお悩みはありませんか?
RENOLAZEでは、不動産売買や住み替えに関するご相談を承っています。
売買契約後のトラブルは、契約書の内容と実際の経緯によって対応が異なります。
まずは状況を整理し、必要に応じて弁護士などの専門家とも連携しながら、適切な対応を検討することが大切です。
また、契約解除後の再販売についても、価格設定や販売方法を見直すことが重要です。
「売れたはずの家が、売れなくなった」そんなときこそ、次の一手を冷静に考えましょう。
不動産売却・住み替え・再販売のご相談は、RENOLAZE(リノレイズ)へ。
契約成立だけでなく、安心できる決済・引渡しまで。
RENOLAZE(リノレイズ)
不動産売買・マンション売却・住み替え相談
本記事は2026年10月23日時点の法令・公表資料をもとに作成しています。具体例は説明用の架空事例です。個別の法的判断については、売買契約書などを確認のうえ、弁護士等の専門家にご相談ください。












