古くなったマンションのリノベーション。
美しく生まれかわった姿を想像してワクワク…の前に、もし工事に「コア抜き」が含まれているなら要注意です!
でも、コア抜きとは一体何でしょうか?
そもそもコア抜きとは?
コア抜きとは、すでに出来上がっている建物の壁や床に穴を開ける行為です。
通常、マンションの場合は壁を壊すことは禁じられていますが、穴を開けることはあります。
多くはエアコンや給湯器など、どうしても外部へ続く穴が必要な機器を設置する場合です。
穴に水を通す場合は、スリーブと呼ばれる筒を穴に入れます。
マンションをリノベーションする場合、もともとこうした穴が無い場合は、コア抜きすることを考える場合もあります。
住人の要望だけでなく、古くなったマンションをリノベーション販売しようとするオーナー様の要望でコア抜きを行うこともありますよ。
場合によっては大変なことに
単に穴を開けるだけというなかれ、コア抜きは既存の建物に穴を開ける行為であり、慎重に行う必要があります。
もっとも気をつけるべきなのは、鉄筋を切ってしまわないことです。
鉄筋コンクリートは鉄筋を格子状に組み、それを芯として、周囲をコンクリートで固めています。
穴を開ける際に誤ってその芯となる鉄筋を切ってしまうと、その分コンクリートの強度が弱くなってしまいます。
場合によっては、耐震基準など建築基準法で定める基準を満たさなくなってしまい、そうなると工事そのものの見直しは不可避です。
リノベーションどころか、建物を弱くし、費用もさらにかかることになってしまいます。
給湯器やエアコンを設置したがためにそんなことにまでなってしまっては、リノベーションの意味がありません。
実際、過去には「コア抜き多数」によって建て替えとなった事例もあります。
くれぐれも鉄筋を切ってしまわないよう、慎重に計画を建てて作業を進めなければなりません。
許可をもらうのもひと苦労
また、マンションの住民がコア抜きを行いたい場合は、マンションの管理組合の許可をとる必要があります。
ただしリスクがあることもあり、なかなか許可が出ない場合も多いようです。
管理組合で許可が出ない場合は、理事会にかけることになります。
それでも、確実に許可が出るわけではありません。
コア抜きは作業そのものも注意を払わなければなりませんが、そもそも工事するところに至るまでも大変なのです。
まとめ
ご説明しました通り、穴を開けるだけとはいえ、既存のマンションへのコア抜きはなかなか大変な作業です。
給湯器やエアコンをつけたいが希望する設置箇所に穴がない場合、当初予定していたところから場所を変えなくてはいけません。
エアコンなら、窓に設置できて穴が不要なタイプへの変更を考えるなど、コア抜きを行わないで済むようにすることを考えた方が現実的と言えるでしょう。
それでもどうしてもコア抜きする必要がある場合は、マンション建築当時の図面を入手するなど、細心の注意を払うようにして下さい。