現代の都市発展においては、これまでの行政による民間に対する規制をしたまちづくりから、民間や市民が中心となって管理や事業を行うまちづくりへの移行が必要不可欠です。
つまり、「民間が主体となってまちづくりを行う」エリアマネジメントが重要視されています。
実際にエリアマネジメントによるまちづくりを実施した事例も多く、全国各地でエリアマネジメントの取り組みが実施されているようです。
この記事では、エリアマネジメントとは、どのようなまちづくり施策なのかについてご紹介します。
また、エリアマネジメントによるまちづくりの事例や事業内容も紹介します。
まちづくりの事例におけるエリアマネジメントとは?
エリアマネジメントという言葉を耳にしたことがあるけれど、どんなものなのかよくわからないという方は多いのではないでしょうか?
現代のまちづくりでは必須であるエリアマネジメントとはどのようなものなのか、特徴などをみていきましょう。
エリアマネジメントとは、「ある特定の地域における良好な環境や、地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者など民間による主体的な取り組み」と、国土交通省は定義しています。
つまり、エリアマネジメントとは、「民間が主体となってまちづくりを積極的に行っていこう」という取り組みのことです。
これからのまちづくりの基盤になると考えられているエリアマネジメントには、これまでのまちづくりとは異なる特徴があります。
エリアマネジメントの大きな特徴は、行政ではなく住民・事業主・地権者といった民間が主体となって行うことであり、単にまちづくりを行うのではなく、そのまちを育てることが必要とされていることです。
また、エリアマネジメントでは、その地域のさまざまな住民・事業主・地権者などが関わりながら行われるため、エリアをはっきりさせることも特徴となっています。
エリアマネジメントによるまちづくりの事例と事業について
エリアマネジメントによるまちづくりを実践することにより、快適な地域環境がつくられ、その環境を維持、継続できる仕組みを整えることができます。
また、エリアマネジメントにより、居住人口や就業人口が増え、空き家率の低下や犯罪率の低下など、地域の活力が回復・増進されたという成果も出ています。
ほかにもエリアマネジメントの実践により、美しい街並みや環境が形成されることにより、そのエリアの土地などの資産価値が高まったり、そのエリアへの愛着や満足度が高くなったりする効果も期待でき、エリアブランドの形成にもつながります。
それでは。エリアマネジメントによるまちづくりの事例とその事業内容について、その特徴などをみていきましょう。
<エリアマネジメントによるまちづくりの事例>
共通する課題に着目することで連携参画者を増やしたエリアマネジメント事例には、駐車場共通化事業を行った「札幌大通まちづくり(株)」、「(株)まちづくり富山」、「秋葉原タウンマネジメント(株)」が該当します。
また、課題の解決やノウハウを生かしたエリアマネジメント事例には、空き店舗対策、家守事業を行った「(株)北九州家守舎」、「(株)MYROOM」があります。
民間と行政が連携しながら、エリアマネジメントに取り組んだ事例もあります。
行政の領域である公共施設を効果的に活用することで、エリアマネジメントを実施した事例には、道路占用を許可した「大丸有地区((一社)大丸有 地区まちづくり協議会など)」、「(一社)グランフロント大阪TMO」が該当します。
他にも、公共施設の管理や運営などの公的業務を民間が受託する事業を行う事例もあります。
まとめ
今後のエリアマネジメントによるまちづくりでは、まちづくりを担う民間を育成、支援するための取り組みが必要とされています。
官民の連携や民間団体同士の連携や情報の共有が行われることで、より理想的なまちづくりが実現できるようになるでしょう。